消防団のレベル向上へ:田辺市消防団
和歌山県の田辺市消防団(岩間秀幸団長)は5月から、火災や救助、救急活動の高度な技術と知識を持つ団員を育成する訓練強化研修を始めた。1年間で7回研修会を開き、研修内容を各分団の訓練に反映させることで、消防団全体のレベルアップを図る。
訓練強化研修は、各分団の中堅若手団員で組織する「田辺市消防団活性化推進委員会」が発案した。研修会では、団員が消火活動や指揮図の作成、土砂災害への対応、倒壊家屋での救助活動などを学ぶ。2014年11月~16年4月に第1期の研修会を開講。48人が訓練指導団員となっている。
第2期は20分団から計45人が参加。1回目の研修会が28日、田辺市新庄町の市消防本部庁舎であり、岩間団長が「熊本地震や新潟県糸魚川市の火災など想定を超える災害が発生しており、消火だけでなく、救急や救助など幅広い技術と知識が必要とされている。学んだことを定期訓練などに活用し、分団の強化につなげてほしい」と激励した。
団員は建物火災を想定した指揮図を書いたほか、簡易無線やトランシーバーを使った連絡方法、火や熱の性質、密室での火災で起きるバックドラフト現象など建物火災における燃焼の仕組みを学んだ。