レスラーが消防団とAEDの啓発
AEDは心臓が止まった時に電気ショックを与えて蘇生させる医療機器だ。見たことはあっても、使い方に自信がある方は少ないのではないだろうか。
12日(土)に茨城県水戸市で行われた消防団による地域の防災力向上のイベントで、蝶野正洋は「40代で亡くなっている。若いトップのレスラーだった人たちが亡くなった時、非常にショックだった」と集まった人たちに語りかけた。
12日(土)に茨城県水戸市で行われた消防団による地域の防災力向上のイベントで、蝶野正洋は「40代で亡くなっている。若いトップのレスラーだった人たちが亡くなった時、非常にショックだった」と集まった人たちに語りかけた。
今から7年前、蝶野にとってライバル団体のトップだった三沢光晴が試合中の事故で他界。まだ46歳だった。その4年前には橋本真也が40歳で亡くなっている。それがきっかけとなり、蝶野は命を救うための活動を開始した。2年前には一般社団法人NWHスポーツ救命協会を設立している。特に力を入れているのが、AEDの啓発活動だ。
警察庁と消防庁の資料によると、1年間に発生する心肺停止件数は交通事故の死者数の約18倍と多い。1日あたりでは約210人が心肺停止になっている。
心肺蘇生が1分遅れると救命率は10%落ちてしまうため、いかにすばやく対応するかが鍵となる。救急車が到着するまでの時間は全国平均で8.6分となっているが、その場合の救命率は20%を切ってしまう。
つまり、救急車が到着するまでの時間で心肺蘇生を行うことが重要になる。AEDを使った場合の生存率は50.4%、社会復帰率は43.3%であるが、使わなかった場合の生存率は8.4%、社会復帰率は4.3%であり、AEDには大きな効果があることが分かる。
効果が大きいAEDについて街では、自動車教習所などで知ったが実際に使うことには自信がないという声が多く聞かれた。これは数字にも表れている。消防庁の調べによると、2014年に一般市民によるAED使用件数は1030件、一般市民が目撃した心肺停止は2万5255件と大きな開きがある。日本はAED大国と言われるほど設置数は多いが、それを使える人が少ない状況だ。
誰でもできる蘇生法として「コール&プッシュ」がある。コール&プッシュは
1.119番通報&AEDの要請
2.胸骨圧迫(心臓マッサージ)
3.AEDによる電気ショック
という流れで蘇生を行う。
さらに倒れている人を発見した時の流れを紹介すると
1.周りの状況を確認し、危険がないかどうかを確かめる。道路上であれば、車の往来に注意。
2.両肩をたたきながら「大丈夫ですか」と声をかけ、意識があるか、呼吸をしているかを確認。
3.周囲に大きな声で119番への通報とAEDを持ってきてもらうことを要請。
4.心臓マッサージを行い、AEDから自動音声で流れてくる説明に従って使用。
という流れだ。
AEDが必要な場面では焦りを生じるので、周囲に助けを求めることも重要なポイントだ。使い方を覚え、いざという時にAEDを使った蘇生ができるようにしておきたいものだ。
心肺蘇生術は救命率を上げるのにぜひとも知っておいて欲しいものです、消防団員には義務として受講すべきでしょう。