救急救命士になるには
救急救命士になるには? 仕事内容や資格について知ろう
救急救命医療は命を救う非常に重要な職業。一刻を争う症状に対応し、本格的な医療を受けるまでの時間をつなぐ……「救急救命士」はまさに命をつなぐための仕事です。今回は救急救命士になるにはどうすればいいか、仕事・資格についてご紹介します。
■救急救命士の仕事とは?
「救急救命士」は国家資格で、その仕事は救急車に乗り込んで患者さんの救命に努めるというもの。救急車の運用は消防署の管轄で消防官(正確には消防吏員)によって行われます。ですから、救急救命士のほとんどはやはり消防官で、「救急隊員」として出動するのです。
ただし、救急救命士は医師ではありませんので本来は医療行為はできません。あくまでも医師の指示の下で行うのが前提です。医師の指示の下に行う救命処置のことを「特定行為」といいますが、これは救急救命士に特別に許可されています。
救急救命士が資格となったのには世論の後押しという背景がありました。病院に搬送する間に、患者さんが例えば心肺停止状態に陥ったりすると緊急の蘇生措置が必要です。医療行為が許されていないからといって、できることをしないと命が失われてしまいます。救命医療行為の大切さが大きく取り上げられ、1991年に資格が作られたのです。
■救急救命士になるには?
救急救命士の資格を得るには「救急救命士国家試験」に合格する必要があります。ただし、この試験は誰でも受けられるというわけではありません。『救急救命士法』の第三十四条によると、受験できるのは以下の条件のいずれかに当てはまる者でないといけません。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十条第一項の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)で、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した救急救命士養成所において、二年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
二 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学又は厚生労働省令で定める学校、文教研修施設若しくは養成所において一年(高等専門学校にあっては、四年)以上修業し、かつ、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者で、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した救急救命士養成所において、一年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
四 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二条第九項に規定する救急業務(以下この号において「救急業務」という。)に関する講習で厚生労働省令で定めるものの課程を修了し、及び厚生労働省令で定める期間以上救急業務に従事した者(学校教育法第九十条第一項の規定により大学に入学することができるもの(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)に限る。)であって、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した救急救命士養成所において、一年(当該学校又は救急救命士養成所のうち厚生労働省令で定めるものにあっては、六月)以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
五 外国の救急救命処置に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で救急救命士に係る厚生労働大臣の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの
正確を期すために引用しましたが、簡潔に説明すると「救急救命士」になるフローとしては、次の2パターンがあります。
●パターン1
●パターン2
・大学、短大、高校・専門学科校卒業後、消防官採用試験を受験、合格する
・消防官として勤務する
・6カ月以上養成所で講習を受ける
・5年以上、または2,000時間以上の救急業務を経験する
・救急救命士国家試験を受験、合格する
・消防官として勤務する
・6カ月以上養成所で講習を受ける
・5年以上、または2,000時間以上の救急業務を経験する
・救急救命士国家試験を受験、合格する
救急救命士になるにはどうすればいいかを解説しました。救急救命士が患者さんの救命率を向上させているのは間違いありません。命に関わる大事な仕事ですので、もし挑戦しようと思っている人はぜひ頑張ってください。あなたの力で助かる人がいるかもしれません!
大変なのですね、それだけの技術や資格を一時の気の迷いで無くさない様にして下さいね。