心肺蘇生術
もし自分の子供が目の前で「心肺停止」に陥ったらどうしますか? 人工呼吸や心肺蘇生を行いますか? そんな質問に「私には無理」と思ったお母さん、多いのでは?
「ですが、考えてみてください。心肺蘇生を行った場合、何もしなかったときと比べて回復する割合は2倍。おろおろして救急隊を待つ間に子供の命が奪われるかもしれない。勇気を持って心肺蘇生を行えば、自分の子供を助けることもできるんです」と、元東京消防庁の大隊長・救急救命士の安岡裕二さん(62才)は言う。
心肺停止2分内に心肺蘇生を行うと生存率はなんと約90%。3分内約50%。一方何もしない場合は1分ごとに生存率が下がり、3分後には約20%、15分後にほぼ0%。とくに子供は心肺蘇生後の回復率が高い。
そこでここでは、もっとも子供の命を危険にさらす「低体温」への対策と、生死を分ける「心肺蘇生」を紹介する。
「自然災害が日常となった今、親の“勇気”が子供を守るカギ。『私には無理』から『私はできる』時代へ。まずは正しい知識を頭にインプットすることから始めましょう」(安岡さん、以下同)
◆もし目の前で子供が倒れたらどうすればいいのか
野外トラブルでもっとも深刻なのが、水難事故や低体温症などで発生する「心肺停止」だろう。心肺停止とは心臓と肺の機能が停止した状態で、生存率は分刻みで低下するといわれている。
「心肺停止になって十数分間何もしなければ、その後救急隊や医師が努力しても救命が難しくなります。ですが、近くにいる人が素早く心肺蘇生を行うことにより、助かる可能性が高まります。重要なことは、目の前に倒れている子供を救うために『最善の努力をすること』。そのためには日頃から応急手当を学び、身につけておくことが大切です」
まずは心肺蘇生法(BLS)の手順マニュアル(日本蘇生協議会が公表しているガイドライン2015に基づく応急手当『心肺蘇生の手順』)を頭に入れることから始める。手順を何度も復唱しながら覚えるだけで、緊急事態にパニックにならず落ち着いて対応できるのだという。
「マニュアルを頭に入れたら、次に家の近くの消防署などで行っている講習会に参加してみてください。講習会では人形を使った人工呼吸の練習や、胸骨圧迫法が学べます。また心肺停止の救世主『AED』の使い方も教えてもらいましょう」
※女性セブン2017年9月7日号
何度も心肺蘇生術をアップしますが、バン〇リンのCMでは無いけど「するとしないでは大違い」なのです、助かる命を引き戻してあげて下さい。