10日未明、徳島県石井町の国道で、男性がはねられ死亡した飲酒ひき逃げ事件で、逮捕された東みよし町の会社員松本良容疑者(21)の車の助手席には、みよし広域連合消防本部の消防士(22)=東みよし町=が乗っていた。同本部は消防士が飲酒運転をほう助したと判断し、懲戒免職にすることを決めた。
 広域連合長の黒川征一三好市長らが11日記者会見し、陳謝。消防士に行った聴取で明らかになった事件までの状況を説明した。
 広域連合によると、松本良容疑者と消防士は幼なじみ。2人は9日午後5時半から東みよし町内の居酒屋で飲酒し、同8時半に店を出て松本容疑者の運転でつるぎ町内のスナックへ行った。10日午前1時ごろまで酒を飲み、徳島市内の松本容疑者の知人が経営するバーに向かった。
 消防士は「かなり飲んだが覚えていない」と話しているという。つるぎ町を出た後の記憶があいまいで、事故発生まで助手席でうつむいて座っていたと説明している。
 2人は過去にも酒を飲んだ後、一緒に乗車していた。松本容疑者が運転し、消防士は飲酒運転を止めることなく同乗していたという。広域連合は「どのくらいの頻度か明確に聞いていないが、常習的と言える範囲」とした。
 消防士は2016年4月、広域連合消防本部に採用された。消防士として隔日で勤務し、救急、消防、通信の各業務を担当。9日午前8時半に24時間勤務を終え、午後は三好市内の防災訓練で自動体外式除細動器(AED)講習の講師を務めた。